MACBETH マクベス(魔女たちに出会ってしまう)
Speak, if you can: what are you?
言ってみよ、人の言葉が言えるなら、何者だ?
First Witch 第一の魔女
All hail, Macbeth! hail to thee, thane of Glamis!
万歳、マクベス、称えようグラミスの領主!
Second Witch 第2の魔女
All hail, Macbeth, hail to thee, thane of Cawdor!
万歳、マクベス、称えようコーダーの領主!
Third Witch 第3の魔女
All hail, Macbeth, thou shalt be king hereafter!
万歳!マクベス称えよう、汝こののちのスコットランド王よ!
実在のスコットランド王 マクベスは
混沌の時代、先王の忠臣王族という人生から
王座を取り囲む(貴族階級)2つの領地と城の主になり
先王殺しののちの狂気の王座をもくろむ
3人の魔女にそそのかされて。
舞台はスコットランド ハイランドのムーア
荒野のヒースの中にはじまり
ヒースの中に終わることになる。
妻は王妃となりながらも殺人の罪に発狂し、
マクベス王も 先王の息子に返り討ちにされることになる。
先王殺しの場所、夢に見た権力のいしずえ、コーダー城。
シェイクスピアのこの悲劇は雷鳴の中にはじまるのだが、
受験勉強ほっぽりだして読みふけった30年前のそのイメージと裏腹
跳ね橋の向こうに優雅に佇むコーダー城CAWDER CASTLE
シェイクスピアのこの劇はあくまでも劇であり
史実とは全く違う。
(大学時代、西洋中世城壁研究ゼミでこれを知った時の絶望感は
いまでも苦々しく覚えている)
実際のマクベス王は北欧やイングランドからスコットランドを
20年近くの王権で守ったし、第一このコーダー城が築城されたのは
マクベスの時代より300年近くも後のことである。
今でもこの城に住むのは第6代コーダー伯爵夫人Lady Angerica Cawder
彼女の著書HIGHLAND LIVINGによると
1370~80年にこの城の築城が始まった、とされる。
この城の地下にはその根拠となる出土品と
一族の宝、築城のきっかけとなり
今も大切に保存されている枯死したHollyの木があり
(キューガーデンによる炭素測定で1372に枯死の判定済)
なるほど、そんな物語にふさわしい静かな深い世界が
感じられた。
そして、この城の魅力はそのハーブガーデンとウォールドガーデンにある。
これについては、簡単ではないのでいずれ講座で詳しく紹介するとして、
城内のわくわくをまたひきつづき^^
次回予定 "コーダー城の幽霊の部屋とゼラニウム"